管理人・歩く猫 これっぱかしの宝物について。真田丸とネット小説など。ご感想・メッセージなどは拍手のメッセージ欄でも各記事コメントでもお気軽にどうぞ
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これはK96さんのwebマンガ+イラストサイト「870R」(サイトは18歳以上推奨)「HANA-MARU」からの二次創作であり、「王さまとブヨピヨ」「サミー・エバーパインの逆襲」の続編です。
全8話。第1話はこちら。他のHANA-MARU二次小説はこちらから。
おとなむけ。おこさまは よまないでくださいね。
騎士ハルミオンと十二の試練(6)
その頃、ハワイアンカフェでは。
蛇をブーツにし、荒馬を去勢し、羊の毛を刈り、猿と鳥と犬を連れて来年の鬼まで退治したハルとリューは、ボタン鍋で祝杯をあげていました。
「かんぱーい!」
「ドラゴンからはぎとったアイテムで装備を強化すれば、残りの干支なんて敵じゃなかったわねー!」
空前の集客となったファイヤーダンス&武器たっぷりショーの打ち上げは全額カフェ持ち、飲み会の噂を聞きつけたヨシザワス王も参加して、都はいよいよお祭り騒ぎです。
「僕もフェロモン魔女さんに会いたいなー♪」
「私も美容魔法してもらうー♪」
「困ります、お客さま」
エントランスで、何やら店員がもめています。
「カフェの営業時間は終了しました。夜間はバー営業ですので、未成年者の入店は」
「未成年って」
一同は顔を見合わせました。
「十歳以上若返ったわけだから」
「多分そうね」
「すいませーん。その人、俺たちの連れっスー」
店員の案内で、確かに若返った魔女がやってきましたが。
「ご苦労だったな」
仁王立ちで腕組みしたティーン女子は、天使将軍の顔をしていました。
「お、お姉さん……、いや、妹さん?」
「初めから俺は俺だ。色々あってな」
猫かぶりを解かれた天使将軍は本来の姿には戻らず、女の体に転成したのですが、すべては額に残る火傷痕のせいでした。
「チン拓がイヤすぎるあまり、転成がねじまがっちゃったんだわ。なるべくホモから遠いベクトルへ」
「で、女になっちゃったんスかー?!」
「はるるんもリューぽんも、顔見て気がつかなかったの?」
「だってとにかく濃厚フェロモンで」
ボディータッチの記憶も新しいハルは、うっとりメモリーと目の前の現実との折り合いがつきません。
「何か、触ってすんませんしたっス……」
「言うな。俺も忘れたい」
「天使将軍の魔力のすべてが、純正ヘテロセクシャル方面にフェロモン化されたんだもの。そりゃヨダレものの美女になっちゃうわけよね」
「聞いたよー♪バニーのガーターベルトにチップがわさわさ入ってたって? その前にもかなりのおイタがあったと思うなー♪」
「……普通にしゃべっても媚態と取られてしまっただけだ。使える魔力は限られていたし」
「それでハルに呪いをかけて年齢逆行の手伝いをさせ、若返りで失われるフェロモンを、魔力に戻していったのね」
オンナ度が薄まりフェロモンの霧が晴れて、ようやく顔立ちが見分けられるようになったのでした。
「転成直後のご様子に、ドールはよほど混乱したのでしょう。男コトバなお年頃は、ほどほどに魔力も使えて神の注意も惹かない、ベストな配分だ。さすが将軍」
そう言ってカフェの厨房から現れたのは。
「あれ、来てたのーくどりん」
(第7話へつづく!)
その頃、ハワイアンカフェでは。
蛇をブーツにし、荒馬を去勢し、羊の毛を刈り、猿と鳥と犬を連れて来年の鬼まで退治したハルとリューは、ボタン鍋で祝杯をあげていました。
「かんぱーい!」
「ドラゴンからはぎとったアイテムで装備を強化すれば、残りの干支なんて敵じゃなかったわねー!」
空前の集客となったファイヤーダンス&武器たっぷりショーの打ち上げは全額カフェ持ち、飲み会の噂を聞きつけたヨシザワス王も参加して、都はいよいよお祭り騒ぎです。
「僕もフェロモン魔女さんに会いたいなー♪」
「私も美容魔法してもらうー♪」
「困ります、お客さま」
エントランスで、何やら店員がもめています。
「カフェの営業時間は終了しました。夜間はバー営業ですので、未成年者の入店は」
「未成年って」
一同は顔を見合わせました。
「十歳以上若返ったわけだから」
「多分そうね」
「すいませーん。その人、俺たちの連れっスー」
店員の案内で、確かに若返った魔女がやってきましたが。
「ご苦労だったな」
仁王立ちで腕組みしたティーン女子は、天使将軍の顔をしていました。
「お、お姉さん……、いや、妹さん?」
「初めから俺は俺だ。色々あってな」
猫かぶりを解かれた天使将軍は本来の姿には戻らず、女の体に転成したのですが、すべては額に残る火傷痕のせいでした。
「チン拓がイヤすぎるあまり、転成がねじまがっちゃったんだわ。なるべくホモから遠いベクトルへ」
「で、女になっちゃったんスかー?!」
「はるるんもリューぽんも、顔見て気がつかなかったの?」
「だってとにかく濃厚フェロモンで」
ボディータッチの記憶も新しいハルは、うっとりメモリーと目の前の現実との折り合いがつきません。
「何か、触ってすんませんしたっス……」
「言うな。俺も忘れたい」
「天使将軍の魔力のすべてが、純正ヘテロセクシャル方面にフェロモン化されたんだもの。そりゃヨダレものの美女になっちゃうわけよね」
「聞いたよー♪バニーのガーターベルトにチップがわさわさ入ってたって? その前にもかなりのおイタがあったと思うなー♪」
「……普通にしゃべっても媚態と取られてしまっただけだ。使える魔力は限られていたし」
「それでハルに呪いをかけて年齢逆行の手伝いをさせ、若返りで失われるフェロモンを、魔力に戻していったのね」
オンナ度が薄まりフェロモンの霧が晴れて、ようやく顔立ちが見分けられるようになったのでした。
「転成直後のご様子に、ドールはよほど混乱したのでしょう。男コトバなお年頃は、ほどほどに魔力も使えて神の注意も惹かない、ベストな配分だ。さすが将軍」
そう言ってカフェの厨房から現れたのは。
「あれ、来てたのーくどりん」
(第7話へつづく!)
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