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  管理人・歩く猫 これっぱかしの宝物について。真田丸とネット小説など。ご感想・メッセージなどは拍手のメッセージ欄でも各記事コメントでもお気軽にどうぞ
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これはK96さんのwebマンガ+イラストサイト「870R」(サイトは18歳以上推奨)「HANA-MARU」からの二次創作であり、「王さまとブヨピヨ」「サミー・エバーパインの逆襲」の続編です。


全8話。第1話はこちら。他のHANA-MARU二次小説はこちらから。


おとなむけ。おこさまは よまないでくださいね。


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騎士ハルミオンと十二の試練(2)
「お姉さん! これって一体どういうことっスか~!」
 後ろへのけぞったハルはどすんとカフェ椅子に倒れ込みます。合わせ鏡の中ではバニーガールがハルの膝に座っていました。
「だからー、言ったでしょ。人がいいってだけじゃなく、知恵と勇気を兼ね備えてるって証明できれば、栄達の道が開けるの」
「ちょっと」
 リューは、誰もいない外界と鏡の中を交互ににらんでいます。
「それは専従契約ってことね? この呪いを解くことができればそなたの願いを叶えてやろう的な?」
「うるさい同業者ね。まーそうよ」
「おかしな引っかけとかないでしょうね。出世させてやる代わりに魂よこせとか、奴隷として仕えろとか」
「どっかの王さまじゃあるまいし」
「金輪際ナンパはするなとか」
「んな束縛しないわよ。私は純粋に、善良な騎士さまを助けてあげたくなってー」
「信用できないわ。特にこういうエロス満開系は」
「おカタいなーもー」
「おわ、むぎゅっと……♪♪」
 鏡の中の女がハルにしなだれかかると、重さや圧力がしっかりリアルに伝わるのでした。
「お姉さん。市場で会ったときと雰囲気違わないっスか」
「んー? バニー衣装のせいじゃない?」
「そうじゃなくて、何かちょっと若い感じっス」
 さわさわと虚空を探るハルは、普通にプロポーションを確かめています。
「ちょ、やめなさいよ。鏡画像だと完全にアウトよ」
「実は三歳ほど若返ったの。騎士さまのおかげ♪」
 十二支のカウントは年を表すので、子・丑・寅を退治した分、年齢が巻き戻ったわけです。
「呪いのアンチエイジングよ♪」
「ったく、美容魔法に人を巻き込まないでちょうだい。で? 干支退治の見返りに、きっちり立身出世を叶えてくれるんでしょうね」
「そうよ。っても単なるおバカの世話焼くのはお断り。多少は骨があるかどうかテストさせてもらいたいわけ。じゃ、頑張ってね~」
 バニーは尻尾をぷりぷりさせながら、テーブルの間を歩いて行ってしまいました。
「カフェ客がチップあげてるわ。実体化したのね」
「兎のターンは終わりってことっスか……」
「ハル、気づいてた? 動物が変わるたび、耳飾りのデザインも変化してるの……」
「今は何に……、いや聞きたくないっス……」
 青ざめた二人の頭上で、火を吐くような轟音がうなり始めました。


第3話へつづく!)
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