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  管理人・歩く猫 これっぱかしの宝物について。真田丸とネット小説など。ご感想・メッセージは記事付属コメントかページ最下段のフォームどちらでもどうぞ
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これはK96さんのwebマンガ+イラストサイト「870R」(サイトは18歳以上推奨)「HANA-MARU」からの二次創作です。(HNじゃいこ)

全26話。第1話はこちら

他のHANA-MARU二次小説はこちらから。

おこさまは よまないでくださいね。


大江戸870夜町(12)


 侍二人は思考が止まっています。
 しんとしたお座敷で、陽光太夫は会席料理をぱくつき始めました。
「投降してみたらー? 命の危険はなさそうだし、将軍の側室げふ、側近になれるんなら大出世じゃない。お家のためになるわよー」
「よせ太夫。お家のためなんて武士にゃ殺し文句だ」
「……家名の誉れだヤッター、なんて言うか。武士なめんな」
 フリーズの解けた桔梗介が呟き、工藤もハッと気を取り直しました。
「若。だとすると樋口家の対策会議が危のうございます」
「そうだ。お上相手にどんな先回りなことを言い出すか」
「私が説明して参りましょう」
「いや、お前はそっち方面に馴染みがありすぎる。ホモ侍の作り話と思われるのが関の山だ」
「……どなたのせいだと」
「吉澤は悪ノリする危険性があるし、あと樋口屋敷に顔出して信用されそうなのは」
「ニャア」
 大福親方は雅におんぶされ、下屋敷で斗貴に事情を話し、上屋敷の面々を説得してもらうという遠回りな使命を負って、出発したのでした。



 劉は、冬成の取材メモをパラパラとさかのぼりました。
「大奥女中を何人当たっても将軍お手つきの噂を聞かなかった理由は、これで説明がつきそうね。将軍がホモを理由に世継ぎを作ってないとしたらこれは」
「大スクープですね、劉さん!」
 冬成は目をキラキラさせましたが、劉は渋い表情です。
「替え玉説に比べると、インパクトに欠けるわあ。ホモはホモでも子づくりするホモだっているだろうし。やーだ何回ホモって言やいいの。ま、ここへ逃げ込んだのは正解だったかもね」
 劉はぐびりと飲み干しました。
 財布係の工藤が注文したのは最小単位の宴会会席なので、ちまちまとした飲み会です。
「ホモが寄りつかない場所ランキングで言や、吉原遊郭はかなりの上位でしょうよ」
「わーい♪じゃあずっといたらいいじゃなーい」
 陽光太夫がかんぱーいと盃を上げます。
「居続け連泊っスね、ええと専属指名でチャージ料が」
「お、お金がもちません」
「えーまだ余裕でしょー」
 工藤にすり寄った太夫は、着衣の上から財布を叩きました。
「いい音してるじゃなーい」
「虎の子の逃亡資金ですからそうひと息に使うわけには。た、太夫?」
 もぐりこんだ細腕は、もう財布を抜き取っています。
「ちょっと、少しは遠慮してスリなさいよ」
「違うー。この音……」
 くるくると革ひもを解くと、まばゆい小判があらわれました。
「やっぱり。変わんないねー、このシマシマー」
 小判に語りかける太夫は、何だか同窓会口調です。
「どういうことよハル? 素で怖いんだけど」
「えっと、太夫はお金大好きっ子なので、小判クラスになると一枚一枚覚えてるんっス」
「何その超能力」
 すっかり引いてしまった一同に、陽光太夫はご紹介しますの笑顔で言いました。
「こちら、将軍暗殺犯に支払われた小判よ。どうして樋口家が持ってるの?」

第13話につづく!)

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