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王さまとブヨピヨ(5)
色々と片づくところへ片づいて。
リューはアマネリアを森へ送っていきました。
期待に胸を躍らせながら、カップルを前に呪文を唱えると。
「ああーー??」
「サミー?!」
アマネリアは人間にならず、サミーが妖精になりました。
「おかしいわね」
「どういうことだこりゃー!」
透き通った羽根にショート丈の薄物をまとったサミーは、無精ヒゲまでキラキラしています。
「危ないよサミー!」
「うお、バランスが取れねえ」
「落ちついて羽ばたいて、そうそう」
手を取り合った二人は、キラキラしながらどこかへ飛んでいってしまいました。
「呪文が逆流した……? 魔導原理がひっくり返ってる……」
リューは空を睨んでつぶやきます。
「魔法を自分しか分からないコードで改変して、いよいよ本丸に攻め込むつもり。あっちの政府転覆計画は、早くも順調のようね」
都へ帰ったリューは、ヨシザワス王に、これからは魔法は当てにならない、もっと人心に配慮した政治をするようにと助言しました。
天の支配者が変わる日が案外近いかもしれないと聞き、王は震え上がりました。精一杯良政に励み、味方をたくさん作って、クドージンからの復讐に備えたそうです。よほどいじめた自覚があったのでしょう。
人々は何も知らずに王の改心を喜びました。きっかけとなったらしい王宮崩壊の日は祝日とされ、ブヨピヨ祭が行われるようになりました。
祭の日、人々は大して食べないツマを丸めてブヨピヨ像を作り、輪になって歌い踊るのだとか。
「ブヨピヨじゃったらブヨピヨじゃ」
「おかげじゃおかげじゃ、ブヨピヨじゃ」
めでたしめでたし。
続編もどうぞ。「サミー・エバーパインの逆襲」