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私の勝手な感想を見たくないかたは、次の横罫線までずずいとスクロール。
9/27 D-03推理に追記しています。
D-01: いつか見える空
空が死を意味するようになってしまった近(いや、かなり遠?)未来、人々は地下で暮らしている。わくわくする設定です♪ヤマ場は記録再生装置。「何もない、がらんとした白い部屋」=専用の上映室にあっさり移動していたので、夜明けが来るぞ~というタメがあまりなかった感じ。もっとタメがあったら、部屋ぜんたいに夜明けが再現されていく荘厳さがもっと盛り上がったかも。
D-02: いつか出会うために。
竜騎士たちと編隊飛行。気持ちよさそー。冒険RPG、大団円の章、みたいな感じ。
D-03: 空色の
落ち込んでいる少年、けんかのいきさつ、ツカミとして目を引くものがないのに、読ませる。空色抽出マシーンの複雑な構造が目に浮かぶよう。ひねってよく出来たオチとかじゃないけど、読後感良好です。ストーリーテリングの配分がうまい人とカテゴライズ。
D-04: 玉音
理系の総悟に情動の理央。「いつも理央の後ろでひやひやしているか、後ろからこっそりと役に立つ進言をするのが役割」というのが好き。ふたりのあいだのバランスが、ただの「冷静彼氏にじゃじゃ馬彼女」というだけのところに静止していない。急にか弱くなったり、気丈なことを言ったりする理央のふるまいが自然。理央に対応して総悟の心理も振れハバ大きく揺れ動くから、キャラが分厚いというか、人間同士のドラマが分厚く成立している。着こなせない服のことを「服に着られる」と言いますが、時代モノに「着られていない」仕上がり、うまいです。
D-05: ぼく、ボスです
ボスのひとり語り部分は秀逸!会話だけでいきさつがよく分かる。腰の低いボス、まさに中間管理職。ストーリーの裏を言いたくなっちゃうのか~お人好しでナイス♪外界での三人称になると、日本語が気になる部分があったりして、ちょっと目がもたつくかも。クローン奴隷の人権という切り口で、荒唐無稽バナシのラストがきれいにまとまっている。
D-06: 黄昏鉄道
鉄道ファンタジーからホラーへ。黄昏鉄道は、アイビスが死に際して頭のなかで作り出した幻視。アイビスは「自分だけがどうも違う」という状況を、さいしょから分かってた。だから自分の腕にスタンプがないことにした…。なら、アイビスだけ皆より火元から離れていたとか、火事の現場でのいきさつが挿入してあってもよかったかも。
D-07: 空に歌う
木はなんで切られちゃったのかな。「私」はなんで帰ってこれたの?「私」は「わたし」の生まれ変わり?「母」が「わたし」のようにも読めて混乱。「私」が神様を夢に見ていた理由はなにかあるのかな。歌で許しあえた理由もあってほしいな。せっかくきれいな情景なんだし。
D-08: アルビレオ
おおう~~、アルビレオー。不思議な少年との、運命のような友情を描く冒頭からして、お話の説明がなされている、という以上のものがある。なんともすてきな手ざわりを持った文章が書ける人。貴重な財産だと思うー。またまた好きな言い回しの抜き書きです。「まるで自分が小さくなって、母さんの宝石箱の中に誤って落っこちてしまったかのよう」「今まで目を閉じていたわけじゃないのに、もう一度開いたのだ。」星のアルビレオと対面するシーンは、映画「コンタクト」のクライマックスを連想しました。光の世界にただ「おおう…」としか言えないでいるジョディ・フォスター、滂沱の涙。見ようとする目を持つ人にだけ見える世界、という感じでいいですね~。そして静謐なラスト。カンパネルラとの別れのようじゃなくてよかった。アルビレオのいない学校で、光太は相変わらず口ベタで孤独、のままなんだろうけど、なんかすごい偉業をなしとげる大人になりそう。星に興味を持つようになって、一年越しで天体望遠鏡を引っぱりだしたのには、なにかきっかけがあるのかな。
D-09: 薔薇の館
さいご、お話としてつじつまは合うのだけどもー。夢の館でのユヅルにも、回想のユヅルにも、生身の人間の体温を感じないような。オンナに「きれいにしてくるように言い含める」はんさむって、ちょっと苦手でした。
D-10: Agony
昔話風。反乱のはじまりと煽動まではちょっと急すぎるかなーと思ったけど、戦争の泥沼化と収束には不自然さがない。なにもかも奪った運命の皮肉に、彼はこれからどう立ち向かうのか。国策の犠牲者として生きるのか、たくさん人を殺したことについて贖罪の道を模索するのか。
D-11: ぼくは再び空を描く
空から降ってわいたお嬢さまと、空へ落ちていく♪フェリシテは眼鏡にかなう絵描きが見つかるまで、転校をくりかえすつもりだったのだろうか。いや、別に転校しなくても新人発掘はできるか。世界じゅうにあるピーノルト家の別荘に、各国の画家のタマゴが集められてて、それぞれ描かなきゃならない対象物を使った訓練メニューで、スパルタ特訓を受けてたりして♪
ここから推理。
D-01 いつか見える空■青波零也さん
現在形おわりの文体、固有名詞の名づけセンスなど。
D-02 いつか出会うために。■桂木直さん
D-03 空色の■勝田小豆さん
ショーウィンドーからお店やさんをのぞく、というシチュが複数あり。「少年達」「少女達」、「たち」がわりと漢字だったり、「鏡」のなかで「目を引き剥が」す、という言い回しを見つけて。
【訂正っていうか追記】⇒■帯刀 彪さん
帯刀 彪さんサイトから「-カランカラン……」という擬音の表記を採集していたのに、03の「カラコロシャッコン」がそれに当てはまってることを見落としていました…カンニングして初めて気づく。9/27 23時現在、16名中9名が「03 帯刀 彪さん」説をとっています!速攻なびく。別のところを動かす気力がもうないので、9人の探偵さんに賛成投票ってことで「03 帯刀 彪さん」説を支持します^^;面白い語感にばっかり気をとられ、表記は特にメモしてなかったよ~恐るべし、しゃっこん♪
D-04 玉音■蓮桐さん
書かれているのは「組織のなかでジタバタする人間」もの(←いま作ったジャンル)。時代背景は、こういう覆面ってことでどうだろう。日記によると関西弁ネイティブさんのようだし。
D-05 ぼく、ボスです■sagittaさん
セリフ語りがうまいかた。
D-06 黄昏鉄道■帯刀 彪さん
汽車の連結部分を飛び越えるシーンなどが空賊っぽい。「-カランカラン……」からはじまる掌編にも目をつける(冒頭、鉄道の「カタンカタン」)。ちがうかなー。こういうホラー風味を書かれるかたかどうか確信はない。「銀河鉄道の夜」がお好きだと読んで、「アルビレオ」と迷いまくり。
【弱気に訂正】⇒■勝田小豆さん
03が動きましたので。
D-07 空に歌う■moesさん
D-08 アルビレオ■紗代さん
お好きだという幕末物が一覧になくて焦る。ゆっくりした語り口が根拠。こういうのを書かれるかなあ。
D-09 薔薇の館■紗々羅さん
D-10 Agony■Momoさん
自信なし。行あけのタイミングとか、のばす音が「ぁ」だとか、小さな根拠にすがってみる。
D-11 ぼくは再び空を描く■昼日中眠さん
「普通科の魔法使い」を読んで。女性にぐいぐいとつめよられる主人公。「オーケー?」に、否も応もないところが通じる。