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  管理人・歩く猫 これっぱかしの宝物について。真田丸とネット小説など。ご感想・メッセージは記事付属コメントかページ最下段のフォームどちらでもどうぞ
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これはK96さんのwebマンガ+イラストサイト「870R」(サイトは18歳以上推奨)「HANA-MARU」からの二次創作であり、「大江戸870夜町(はなまるやちょう)」の続編です。他のHANA-MARU二次小説はこちらから。


おとなむけ。おこさまは よまないでくださいね。


全20話。第一話はこちら


極楽座の怪人(5)

 メインキャストの登場に、客席がふと静まります。
「ふざけるのもいい加減にしろ」
 ライトを浴びた桔梗介は、パンと雪駄を踏み鳴らして調子をつけました。
「さっきから覚めても覚めても夢の中。一体いつになったら終わるのだ、このバカげた夢コントは」
「あのひと、お客に愚痴ってるのー」
「文章が倒置法です。あれはセリフだ……」
 何かを察した工藤は、ひとまず皆を集めました。
「雅さん、幕は今しばらく。劉さん、セリフを片っ端から訳してください」
 これまでだってプロジェクターで翻訳字幕が投影されていましたが、それは前もって用意されていたセリフです。
「台本は忘れていただきます。ここから先はオール一発本番でよろしく」
「何をしようっての」
「ちょっとちょっと、変更は僕を通して」
 総合演出の冬成がいくら騒いでも、現場を動かすのはけっきょく舞台監督です。
「ダンサーの皆さんは待機、不測の事態には時間かせぎをお願いします。天音さん、聖剣エクスカリバーをここへ」
「了解です!」
 天音は小道具置き場へ走り、弁天はワキワキと両手の指をうごめかしました。
「一発本番、気に入ったで。大衆演劇時代は急な変更なんかザラやったわ。舞台版“テニス部の王子様”のテニスウェアが間に合わなんだときは、大変やったなあヨコ丸」
「覚えてるー。設定を古式泳法・水泳部にして、衣装はふんどし、みんなエアー平泳ぎで」
「……それ、初めからエアーテニスでよかった違うカ」
「アホやなあ、レオ丸。エアーのウソ芝居やからこそ、衣装やら小道具やら、五分のリアリティが不可欠なんや」
「へー」
「逆に言うと、アイテムさえ正しかったらどんなウソ芝居もそれらしゅーなる。舞台の魔法やな」
「深いニャア~」
「どいてどいて、聖剣通りまーす!」
 ひと抱えもあるエクスカリバーをあちこち押すと、箱根細工がパカッと開き、中には刀が二本隠してありました。
「お父っつぁん、こんなとこにもからくりを?」
「特注の密輸ボックスニャ。旅行中も身近に刀がニャいと落ち着かねえとかで」
「根っからのサムライねえ」
 言ってる間に、工藤が鞘を抜き払います。
「はい、若と弁天さんで一本ずつですよ」
「わあい仲良し、っちゅちゅちゅーことはナニか、これから真剣で立ち回りをせえっちゅうわけか?」
「ガチ真剣ならリアリティ最強ネ」
「一発本番、お好きでしょう。えい」
「どわっ」
 弁天は抜き身を握らされたまま、舞台へドンと突き飛ばされました。


第六話へつづく!)

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