管理人・歩く猫 これっぱかしの宝物について。真田丸とネット小説など。ご感想・メッセージなどは拍手のメッセージ欄でも各記事コメントでもお気軽にどうぞ
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これはK96さんのwebマンガ+イラストサイト「870R」(サイトは18歳以上推奨)「HANA-MARU」からの二次創作であり、「王さまとブヨピヨ」「サミー・エバーパインの逆襲」「騎士ハルミオンと十二の試練」の続編です。他のHANA-MARU二次小説はこちらから。
全16話。テキスト版もどうぞ。■(1)■ ■(2)■ ※UTF-16保存ファイル
はなまるファンとふざけたおとなむけです。おこさまは よまないでくださいね。
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冷酷王のスピーチ(1)
「みなさんこんにちは。楽しい魔女狩りのお知らせです♪」
それは突然の布告でした。
「今まで普通に魔法とか言ってましたが、あんなもんはまともな理性への冒涜です。ファンタジーは人を惑わす麻薬です。かしこい愚民のみなさんは、アッこの魔女と思ったらすぐ通報しましょう。僕は専制君主なので、この殴り書きがそのまま法的効力を持ちますよ♪」
かくして、ヨシザワス王による魔女狩り令はウ○コの玉璽をドカドカ押され、ドカンと発布されました。
「さて、ターゲットはティーン女子に化けた凶悪魔女。素足にワイシャツいっちょという凶悪ないでたちで、おそらく女装がめんどいのでしょう。王宮執務官クドージンは太股べったりの下僕となり果てました。ちなみにそっくりなもうひとりはAI搭載のリアルドールですが、あれれ、いつだかの悪魔的契約によると、クドージンと引き替えにドールの方は王の所有となったはずだよね。何をしれっと両方連れ歩いているのかな。3(ピー)か。3(ピー)要員かクソが。かようなインラン魔女には裁きの鉄槌が必要です。サカッてるとこ見つけしだい聖水か何かぶっかけてやりましょう。大盛りカレーならてきめんです♪」
「―――王さま公認ぶっかけカレーは王宮広場の屋台にて発売中。クーポンは併用できません♪……布告だか広告だか分からなくなってるなあ」
そう言ってチラシを丸め、ゴミ箱に捨てたのは、フューナリー・ニッシーナ。
いっぱい隠してた隠し子がどんどんバレて僧侶身分をはく奪された父に代わり、教会で研修中の身です。
「さて、清掃おわりっと」
ふと見ると、告解室に「入ってます」の札が出ています。
衿元をととのえたフューナリーは、いそいそと聴聞ブースに向かいました。
狭い個室を閉めきると、網あみの格子窓から透けて見えるのは女のシルエットのようです。
「こんにちは。御恵みがありますように」
「……」
「何かお困りですか?」
「あのー」
女はますます小窓に身を寄せました。
「チラシに載ってた凶悪魔女ですけど、私、知ってるんです」
「ほう」
「誰にも言わないでもらえます?」
「娘よ。ここは神の家ですから、聞いているのは神だけです」
「そんな杓子定規な」
「一応マニュアルですから。僕には守秘義務がありますし」
「人間ひとりの義務感あてにしてもなー」
「分かりますよ」
尻ごみ傾向への対応も、きちんとマニュアルに載っています。
「誰にも相談できずにいるのはさぞ心細いことでしょう。何でもかまいません、まずは話してごらんなさい」
「そうしようかなー。んしょ」
「娘よ、胸を窓枠に乗せないように」
「肩こるのー。私Gカップで」
「神の家で、カップ数とか言わないように」
「アンダーはね~」
「娘よ、アンダーもいりません」
「何でも話せって言ったじゃん~」
「揚げ足を取らないでください、ヨーコリーナさん。あ、しまっ」
フューナリーは思わず天を仰ぎます。
「きゃはは、名前言った~。はるるんのオトート君ばかー」
「ホクロで分かるほど顔くっつけてるからですよっ。そっちこそ僕の身元とか言わないでくださいっ」
小窓の網目にぴょこぴょこ差し込まれるティッシュのこよりをつまみながら、フューナリーは必死に立て直しをはかるのでした。
「ここは神の家で、守秘義務がありますから、何も外へ漏れる心配はありませんっ」
「アメちゃんとかくれないの~」
「日曜学校のごほうびは子供だけですっ」
「大人でお子様ランチOKのとことかあるじゃん~」
「もう、用事ないなら帰ってもらえますか」
涙目のフューナリーですが、ヨーコリーナは低反発クッションとスナック持参の長居モードです。
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