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やっと主役カップルを構ってやれました。その前にえらい手間ひまかけてレオニー&デレクを純情路線に回収することになりました。
物語が始まってもなかなか実際には会わない二人、というのをやってみました。体面や言い訳にとらわれた人たちは、面と向かってやり取りしても、どこかで了解がかけ違っているのではないでしょうか。目に見えない、手で触れない、ここからここまでと定義しきれない恋情というものの姿のなさを描くとき、身元が怪しいとか、言ってることがうそ臭いとか、互いの誠実さを信じるための根拠が少なければ少ないほど、霊感レベルの恋情の確からしさが証明されるような気がします。「豪勢なホラ」と話半分に付き合っていたオグデン夫婦も、バーナビー一家を好きになってたことは事実なわけで、話の真偽なんてどっちでもいいやと思えるほどの好感が確かにある、というあたりが描けていればと思います。
会話文の書き分けについて。登場するセリフは色々ですが、カギカッコは「一重カッコ」と『二重カッコ』の二種類で、「その場で発声されている言葉(回想セリフ含む)」と、『その他(書かれたもの、電話越しの声)』としたつもりです。地の文の中に飲み込まれているカッコはそう厳密に区別できていないこともあるので、読みやすさの面では混乱ポイントかも。あと、レオニーが筆談で「私」と「あたし」を使い分けていますが、フランス語では多分区別できません。ここでは日本語表現としてその場のくだけ具合全体を表現したつもり。ってこれは英語話者の物語を書くときだって同じでしたね。
章題について。英単語の区切りに中黒点を打たないという妙な縛りがありまして、多分序章のせいです。ムーンライトという言葉は日本語としては感覚的に「ムーンとライト」ですが、英単語としては一個、だから序章は「単語ふたつ」。なのにそれ以降は「単語みっつ」になっており、点を打たないことで非統一感をゴマかしたいわけですな。「ウォーターフォールハネムーン」になると四分割できそうでこりゃもうさっぱりワヤです。
デキゴコロから、やってもいないダイヤ泥棒を装ったものの、あっちゅう間にバレるであろうピーター。もうもうひたすら謝るんだと思います。多分許してもらえる(笑)。
ロイヤルオンタリオミュージアムについて。ミュージアムという単語は歴史も美術も自然科学も含めた「博物館」ということらしく日本語名称も「ロイヤルオンタリオ博物館」ですが、美術っぽさを強調したい場合により作中では適宜「美術館」と言っています。開館が1914年3月だそうで、これはあと数ヶ月で第一次世界大戦。ぼやっとした時代背景で始めたこのシリーズも、ここへきて年代が決まりました。始めと終わりの「ムーン」にて一応の係り結びを迎えましたが、書ければまた書いてみたいです。
20世紀初頭の習慣風俗その他色々は、又聞き孫引きによる捏造です。英仏会話で起きるアレコレも日本語話者の勝手な空想にすぎません。お気づきの点がありましたらぜひ教えてやってくださいませ。お付き合いありがとうございましたー!