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  管理人・歩く猫 これっぱかしの宝物について。真田丸とネット小説など。ご感想・メッセージは記事付属コメントかページ最下段のフォームどちらでもどうぞ
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これはK96さんのwebマンガ+イラストサイト「870R」(サイトは18歳以上推奨)「HANA-MARU」からの二次創作です。他のHANA-MARU二次小説はこちらから。


はなまるファンとふざけたおとなむけ。おこさまは よまないでくださいね。
全16話。第1話はこちら


冷酷王のスピーチ(4)
「リューさん。お呼び立てして申し訳ありません」せん」
 同じ顔して同じ角度に頭を下げるクドージンズの後ろには、魔女が面倒くさそうに立っています。裸エプロンです。
「……どうしてそんな女装のグレード上げてるの。ワイシャツいっちょって聞いてたけど」
「女装なぞしていない」
「確かに中身は女体だから衣装として間違っちゃいない……いや間違ってるは間違ってるけど……いやティーン女子の姿自体がコスプレ……もういいわ。好きにして」
「すべて、追っ手をかわすための偽装だ」
「追っ手ってトキちゃん? “サミー・エバーパインの逆襲”あたりのエピソードからすると、トキちゃんは悪魔を反省させたと思って帰ってくれたんじゃなかった?」
 久しぶりだと同じ話の繰り返しで大変です。
「あれからいろいろあったわねえ。魔法使うのガマンしてる限り、正体バレる気づかいはないんでしょ。王さまの人相書きは似てないし、何でこう神経質に逃げ隠れしてるの。裸エプロンは別の意味で通報されるわよ」
 パリパリッ
「何かラップ音したわね」
「将軍がイライラし始めたのです。気を付けて」
 魔女の髪がさぱーと逆立ったと思うと、アマネリアがひゅっと飛んできてくっ付きます。
「やあん、静電気~」
「エルフの衣は化繊とよく似た繊維構造なので、くっ付いてしまうんですよ」
「このことで、リューさんのお力をお借りしたいのです」
「私に何をしろっての。この帯電オーラは何」
「将軍の……五番目のしもべです」



 むかしむかし、“王さまとブヨピヨ”あたりのむかし、花火にされて打ち上げられた、気の毒なベンテーン卿がいました。
 地水火風、四大元素をあやつる天使将軍によって、卿は火属性に振り分けられましたが、“サミー・エバーパインの逆襲”で川に落ち、断末魔のスパークから電気属性へと自力で属性変更した卿は、たまたま放電中だったデンキウナギの肛門に吸い込まれました。
 このウナギが川底でピカピカする落し物を飲み込むと、それは小さなトルマリン、トルマリンは別名電気石、卿は帯電しながら機会を待って、ぽかぽか陽気の休日に、猫の船長がのんびり垂らす趣味の釣り糸に食いつけば、ウナギの腹からコロンと出てきたきれいな石はペンダントにぴったりニャ、わあ船長ありがとう♪―――ってウキウキ帰宅したエルフのシェアハウスメイトは、すっかり油断した我があるじだったというわけです」
「何がというわけですよ。ナレーションとセリフの境界を軽々と超えてんじゃないわよ」
 リューははやるツッコミを抑え、両手で顔を覆いました。
「なんてはるばると……、飼い主を追って何キロも旅する犬みたいじゃないの。やだ、こういうの弱いのよね、会えてよかった……」
 相手が霊魂でも電気でも同情の分けへだてないリューをしり目に、クドージンズはかまわず続けます。
「ホモまっしぐらな電気石は不安定女子の不確定性により着弾目標を見失い、迷走エネルギーで木こり小屋は大破。そのまま地中へ放電しましたがビリビリと静電気がおさまらず、風はさわぎ、生木は引き裂け、女体に近づけないイラ立ちと欲望が元気玉のように集まり出したのです。悪魔ピーンチ」
「ナレーションやめなさいって」
「バチバチですごかったんだよ! 私なんか変身アニメみたいにはじけちゃったんだから、衣が」
「おっさんはさぞツボったでしょうね」
「サミーは怒ってたよ。こっここ、小屋弁償しろーって」
「怒りのあまりどもったってことにしときましょ」
「何とか第二波が来る前に絶縁テープをぐるぐる巻いて現場離脱し、その後は女子力をめいっぱい上げることで、危ういホモよけバランスを保っている次第です。しばらくは素足ワイシャツでしたが、とてもおっつかず」
「今や裸エプロン……、ホモ封じも大変ねえ」
 善良なリューはうっかり普通に同情してしまったのですが。
「ふふ――。善き魔法使いリューよ、どこまでも善良な奴め。ふふふ―――」
「この“ふふ――”っていうのはもしかして笑ってるの? クドージン」
「まだ女子の発声に馴染んでおられなくて」
 ふふふのキーを探る魔女が小首をかしげます。エプロンの肩ヒモがいい感じに滑り落ちました。
「ちょ、肩ヒモそのままでセクシーポーズに移行してるわよ。どういうこと」
「森に落ちてる雑誌のポーズだよ。女子力アップでホモ封じ。はいのけぞってー。谷間をぎゅーん」
 アマネリアのキューに合わせ、グラビアポーズが繰り出されます。
「リュー。根が善良なお前は、困ってる者を放っておけないはずだな」
「まあそうよ」
「困ってる悪魔も、放っておけないな」
「何なの」
「はい、女豹ぎゅーん」
「いま俺は困っている」
「とてもそうは見えないわ」
「はー…………」
 女豹から立ち上がり、半身ひねりで髪をかきあげます。
「もうティーンのストレスが限界なんだ。どこへ行こうとビリビリバリバリ、このままではいずれ魔力を解放してしまう」
「そしてトキちゃんに見つかって、厳罰処分ね。地底に封じられるんだっけ?」
「地底に何があるか知ってるか。精神とトキの部屋に入れられるんだ。そこでは時間がゆっくり流れ、いつでもカレーが煮えている」
「カ、カレー?」
「マグマより熱く、西日より黄色い……」
 ぶるるっとした魔女は自分で自分を抱きしめました。
「来る日も来る日も寸胴の番をしながら、昨日より今日のカレーがおいしいワケと時の流れの大切さが身に染みるまで、今日もカレー明日もカレー、ホモには彼ー」
 恨み節でリューを壁まで追い詰め、魔女はドンと手を付きました。
「ホモ野郎と手を切りたい」
「はあ」
「ここはひとつ、完全に女になってみるのはどうだろうと思うんだがどうだろう」
「そんなどうどう言われても」
「お前を見込んで頼むんだが」
「はあ」
「俺を女にしてくれ」
「…………」
 真っ白にフリーズしたリューを、クドージンがのぞきこみます。
「脳が理解を拒否していますね」
「リュー、やらせろと言っている」
「将軍、文法上の受動能動がテレコです」
「そか。やらせてやる、だな」
「…………はぁ――――――?!!!」

第5話へつづく!)
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