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  管理人・歩く猫 これっぱかしの宝物について。真田丸とネット小説など。ご感想・メッセージなどは拍手のメッセージ欄でも各記事コメントでもお気軽にどうぞ
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これはK96さんのwebマンガ+イラストサイト「870R」(サイトは18歳以上推奨)「HANA-MARU」からの二次創作です。(HNじゃいこ)

他のHANA-MARU二次小説はこちらから。

全3話。第1話はこちら

エセ童話ゆえにこころのひろい おとなむけ。おこさまは よまないでくださいね。
 


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わらしべしょちょうじゃ(2)


 夜の町を、しょちょねこは全速力で駆けました。
 より人の多い場所を目指し、より危険な雑踏を選んでいるうちに、やってきたのは歌舞伎町です。
「しょちょねこ、これしょちょねこよ……」
 町の喧噪にまぎれて、誰かの声が呼びかけました。
「ここじゃよ、ここ」
 ゲーセンの待機画面にポップアップウィンドウで現れたのは、しょちょねこの監督役のじじねこです。
 しょちょねこは魔界のプリンス的なアレなので、じじねこがいつもひっそり見守っているのでした。
「本来接触は禁じられとるんじゃが、気になってのう。しょちょねこよ。お前さん力を解放する気ではあるまいの」
 ありがちな禁忌として、しょちょねこは人間界ではただの猫として振る舞わなければならないのです。
 しょちょねこはぷるると耳を振り、いつも持ってるわらしべを口に当てました。
「やめるんじゃ、吹いてはいかん……!」
「ぷぴーぷっぷぴー」
 戦闘ラッパみたいな不思議な音が、夜空に響き渡りました。
「何、この感じ……?」
「誰かに呼ばれているような」
「トイレ砂を替えてあげたくなるような」
 音の届く所にいてピクリと反応したのはみな猫派で、誰もが猫のお役に立ちたくてしょうがない気質の持ち主でした。
「ぷぴー」
 しょちょねこのラッパに操られるまま、人々はちょっとした鈍器を持って集まります。
「わんわん♪ハッハッハッ」
 犬にだって猫派がいるわけで、工藤の眼鏡をクンクン嗅いだ野良犬がこっちだとばかりに駆け出すと、群衆も猫まっしぐらに後を追いました。
「仕方ないのう」
 じじねこはため息をつき、バスの操作パネルに侵入して次の停留所を「くどー」にしたので、埠頭で盗難車に細工している劉と吉澤のもとに、バス一台ぶんの暴徒が野良犬の先導で到着しました。
「なな何なの! 歌舞伎町あたりで集めたみたいなコワモテ集団!」
「逃げるに越したことないみたいですねー」
「もう足洗うわこの商売!」
 劉と吉澤はほうほうのていで逃げて行き、工藤は盗難車の運転席から這い出しました。
「危うく事故に見せかけて始末されるところでした……」
「俺、何でこんなとこ来てるっスか……」
「寒ーい、エステの途中だったのにー」
「急に猫かまいたい欲求抑えがたくなったヨ……」
「記憶飛んでるぜ。ヤベーな迫られすぎか……」
 それぞれに苦悩しながら、猫好きたちは解散していきました。
「おや、眼鏡は落として来たはずなのに」
 ダッシュボードにきちんと置かれた眼鏡に工藤は首をかしげ、眼鏡拭きで犬の鼻水を拭いました。

第3話へつづく!)


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